生前贈与を行う場合、贈与契約書を作成するべきと言われています。
本記事では、贈与契約書を作成する意味や作成方法やメリットについて解説します。
贈与契約書とは、贈与者と受贈者の間で、いつ、何を、どのような条件で贈与するかを合意し、その内容を証明するために作成する書類です。
贈与が書面によらない場合、贈与者の意思のみで贈与自体をいつでも破棄することができるようになっているため、リスクヘッジの観点から契約書を作成した方が良いといえます。
贈与契約書に厳格な決まった書式はありませんが、記載すべき重要な項目は決まっています。
具体的には、以下の通りです。
作成した後は、双方が内容に間違いがないことを確認し、それぞれが署名と押印を行います。
契約書の作成時に、同じ内容の書類を2通作成し、双方が1通ずつ保管することで、契約の改ざんなどを防ぎやすくなります。
贈与契約書を作成するメリットは、契約の内容を客観的な証拠として残せる点にあります。 これにより、当事者間だけでなく、親族や税務署といった第三者に対しても、正当な手続きを経て財産が移動したことを証明できます。
贈与契約書のメリットをそれぞれ見ていきましょう。
贈与契約書があれば、いつ、誰が、誰に、いくら渡したのかを客観的に証明できます。
暦年贈与は年間110万円まで非課税ですが、証拠がないと、後からまとめて渡したとみなされる定期贈与や、実質的な管理者が変わっていない名義預金を疑われるリスクがあります。 契約書を毎回交わし、互いに贈与の意思があったことを明確に残しておくことで、税務調査の際にも正当な贈与であることを自信を持って主張できます。
親族間での贈与は、他の相続人の感情や権利にも影響を与えるため、後に大きな争いに発展するケースが少なくありません。
贈与契約書があれば、いつ誰にいくら渡したのかが明確になるため、遺産分割協議の際に「あの時の送金は預金だったのか贈与だったのか」といった疑念を持たれるリスクを減らせます。
また、口頭での贈与は、実際に財産を渡す前であればいつでも取り消すことができますが、書面による贈与は原則として取り消しができません。
これにより、もらう側の権利も法的に強く保護されることになり、お互いに誠実な履行を約束する効果が期待できます。
贈与契約書は、大切な財産を確実に引き継ぎ、家族の絆を守るために有効な書類です。
作成には手間がかかるように思えますが、将来の紛争や税務上のリスクを考えれば、その価値は非常に大きいと言えます。
確実な内容で作成したい場合や、特例の適用などを検討している場合には、1度税理士などの専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることをお勧めします。