株式を移転させる際の手法として、代表的なものに株式贈与があります。
本記事では、株式贈与の概要や上場・非上場それぞれの株式における贈与税の計算方法について解説します。
株式贈与とは、個人が所有する株式を、無償で他の人に譲り渡す行為です。
対して、株式譲渡は、一般的に株式を売却して代金を受け取る行為を指します。
両者の違いは、課される税金の種類にあります。
譲渡の場合は、売却によって得た利益に対して所得税がかかりますが、贈与の場合は対価が発生しないため、受け取った側に贈与税が課せられます。
特に事業承継の場面など、後継者に自社の株式を無償で移転させる手法として、この株式贈与が広く活用されています。
株式贈与を行った際に発生する贈与税額は、以下のようにして求めます。
上場株式を贈与する場合は、市場価格に基づき、贈与する株式の評価額を算出します。
具体的には、以下の4つの価格のうち、最も低い金額を採用して評価を行います。
この評価額から110万円の基礎控除を差し引き、税率を乗じることで、贈与税を求めることができます。
上場していない中小企業の株式などは、市場価格がないため、会社の財務状況や事業規模によって評価の手法が異なります。
主な評価の方法は以下の通りです。
◼️類似業種比準方式
事業内容が似ている上場企業の株価や配当、利益、純資産を参考に計算します。
◼️純資産価額方式
会社の資産から負債を差し引いた、実質的な純資産額をもとに計算します。
◼️配当還元方式
将来の配当金の見込み額をもとに計算する手法で、主に親族以外の少数株主が取得する場合に用いられます。
上記の中から自社にあった方式を適用したり、組み合わせたりすることで、評価額を算出します。
株式の評価額が定まったら、贈与税の基礎控除110万円を差し引き、該当する税率を乗じることで贈与税額を求めることができます。
株式贈与は、事業承継などの手段としてよく利用されます。
ただし、贈与を行う株式の種類によって評価のルールが異なるため、注意が必要です。
株式贈与に不安がある場合は、専門の税理士までご相談ください。