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生前贈与による節税効果の大きさは? 相続税を節税する方法と効果について

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数千万円以上、1億円を超えるような財産が残っている方は、生前贈与を行うことで相続税の節税効果を狙えます。生前贈与をすることで相続税が課税される遺産を少なくできるためです。

ただし贈与をするにも贈与税がかかりますので、以下の手段によって贈与税の課税をできる限り回避する必要があります。

 

 

年間110万円以下の贈与なら非課税

 

贈与税に関しては、年間110万円の基礎控除が使えます。そのため毎年基礎控除額以下の贈与を繰り返しておけば、贈与した財産の価額分だけ節税効果が得られます。

ただし「生前贈与加算」にはご注意ください。2024年以降の贈与財産に関しては、贈与から7年間は相続税の課税対象となります。

※2023年以前の贈与については3年間が対象。

 

 

配偶者への不動産贈与なら2,000万円が控除

 

20年以上の婚姻期間があれば、住まいとして使う不動産(またはその不動産を取得するための金銭)を贈与しても、2,000万円まで控除することができます。

これは贈与税における「配偶者控除」と呼ばれます。

相続税においてもこれとは異なる配偶者控除がありますが、先に渡しておきたい場合などにはこの制度を活用すると良いでしょう。

 

 

住宅取得等資金の贈与なら1,000万円が非課税

 

子どもや孫などに対し、住宅取得用(家屋の新築、取得、増改築等)の資金を贈与した場合、一定の手続を行うことで最大1,000万円を非課税にすることができます。

※特に省エネ性能の高い住宅であれば1,000万円、それ以外の住宅の場合は500万円が非課税。

なお、この非課税措置は2024年の執筆時点で「2026年まで」の適用期限が設けられています。恒久的な措置ではありませんので注意が必要です。

 

 

結婚・子育て資金の一括贈与なら1,000万円が非課税

 

子どもや孫に対し、結婚や子育て用の資金を一括贈与する場合、一定の手続を行うことで1,000万円まで非課税とすることができます。

一括贈与した金銭の管理をしないといけないこと、また、執筆時点において「2025年3月31日までの贈与」に限り適用されることとなっていますので、この点にも注意してください。

 

 

教育資金の一括贈与なら1,500万円が非課税

 

子どもや孫に対し、教育資金を一括贈与する場合、一定の手続を行うことで1,500万円まで非課税とすることができます。

こちらも贈与した金銭についての適切な管理が必要になるなど、手続上の負担はかかりますが、大きな節税効果が得られます。

なお、「2026年3月31日までの贈与」に限り適用される点には注意してください。